コンタクトレンズを付けると眠くなる?原因と4つの眠気対策を紹介
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コンタクトレンズを付けていて、眠気を感じたことはありませんか?
本当に眠いときは寝ることが一番の解決策ですが、コンタクトレンズを付けたままで寝ることは避けなければいけません。
しかし、コンタクトレンズを付けていることで眠くなる、また、眠気のように感じることがあるときには、別の原因が隠されていることもあります。これは本来の眠気とは違うため、原因に合った対策を行うことが重要です。
コンタクトレンズを付けていて眠くなる原因と、4つの眠気対策を解説します。
コンタクトレンズで眠くなる原因とは?
コンタクトレンズを付けていて眠くなる原因は、以下の3点です。
- 目が乾燥している
- 目が疲れている
- コンタクトレンズが合っていない
それぞれ解説していきます。
目が乾燥している
コンタクトレンズを付けていて眠くなる原因の一つは、目が乾燥していることです。
コンタクトレンズを付けている目は、コンタクトレンズに涙を奪われてしまい、裸眼のときよりも乾燥しやすくなります。
特にパソコンやスマートフォンなどの液晶を長く見ているときは、自然とまばたきの回数や涙の分泌が減るため、さらに乾燥しやすい状態になっているのです。
また、まばたきをしっかりしていても、部屋の乾燥や冷暖房の風が当たることで乾燥を招く場合もあります。
目が乾燥していると、目を閉じたほうが楽に感じるため、無意識にまぶたを閉じようとします。これが、目の乾燥を眠気のように感じている原因です。
目が疲れている
目が疲れていることも、眠気を感じる原因の一つです。
ものを見ているときは、目の中の毛様体筋という筋肉を伸び縮みさせて水晶体の厚みを変え、ピント調節を行っています。この働きは、コンタクトレンズ装用中も同様です。

ただし、自分に合っていないコンタクトレンズを装用していると、毛様体筋を酷使するため、目の疲れがたまりやすい状態になります。
パソコンやスマートフォンの操作・読書など、近くのものを見続ける作業を集中して行うことでも、目が酷使され疲れやすくなります。
なお、目が疲れているとまぶたが重くなり、眠気だと感じてしまうこともあります。
コンタクトレンズが合っていない
一つ前の「目が疲れている」でも解説したように、コンタクトレンズが自分に合っていない場合、目には大きな負担がかかっている状態です。
コンタクトレンズを付けると眠気を感じる場合は、以下の項目に当てはまるものはないか考えてみましょう。
- コンタクトレンズのBC(ベースカーブ)が合っておらず、目がゴロゴロする
- コンタクトレンズの度数が合っておらず、疲労感がある
- コンタクトレンズの装用自体に慣れていない
コンタクトレンズが合っていないと、頭痛など身体的な不調につながる場合があります。
また、コンタクトレンズが合っていても、装用に慣れていないことによる疲労で眠気を感じることあるでしょう。
コンタクトレンズに慣れるための方法は、こちらの記事をご参照ください。

コンタクトレンズで眠気を感じたときの対策は?
目の乾燥や疲労、合わないコンタクトレンズの装用による不快感を、眠気のように感じている場合があります。
その際は、以下のような対策を行うことで改善が期待できます。
- まばたきや目薬で目にうるおいを与える
- 目のストレッチをする
- コンタクトレンズを外して仮眠をとる
- コンタクトレンズの種類を変える
それでは、この4つの対策について詳しく見ていきましょう。
まばたきや目薬で目にうるおいを与える
まばたきや目薬で目にうるおいを与えてあげることで、目の乾燥や疲れの解消につながります。
まずは、まばたきをしっかりすることを意識しましょう。図2のように、まぶたを閉じきるぐらい深いまばたきをすることで、涙が分泌され乾燥を軽減できます。

また、コンタクトレンズ用の目薬を使用し、目にうるおいを与えることも効果的です。
ただし、どのような目薬を使ってもいいわけではありません。必ず、コンタクトレンズ用の目薬を使用するようにしましょう。
コンタクトレンズ用の目薬と一般的な目薬の違いについては、下記記事で解説しています。

目のストレッチをする
目の疲れ対策として、目のストレッチを行ってもよいでしょう。目の周りの筋肉をほぐす効果があり、疲労感を和らげてくれます。
目のストレッチを行う際は、コンタクトレンズを外した状態で行うようにしましょう。
目を動かすことで、コンタクトレンズがズレてしまったり、外れてしまったりする可能性があります。
目のストレッチの方法は、以下の手順を参考にしてください。
手順 | 動作 | 方法 |
---|---|---|
1 | ウインクをする | 速度や強弱をつけながら、左右交互に10~20回ウインクをする。 そのあと両目をギュッと閉じて、パッと開く動作を3回繰り返す。 |
2 | 目を上下左右に動かす | 右まゆ➝左まゆ➝右頬➝左頬➝右耳➝左耳➝おでこ➝あご➝鼻の方に、各3秒ずつ目を動かす。このとき、顔は動かさず、目だけ動かすようにする。 |
3 | 目をぐるぐる動かす | 右回り・左回りに、ゆっくり眼球を動かす。これを各2~3周する。最後に寄り目で5秒キープしてから、戻してリラックスさせる。 |
ただし、過度な目のストレッチは、かえって目にトラブルを起こす可能性があり危険です。リラックスした状態で、心地よいと感じる程度に行いましょう。
コンタクトレンズを外して仮眠を取る
どうしても眠気を感じる場合は、コンタクトレンズを外して仮眠を取りましょう。
コンタクトレンズを付けたままで寝ることは、たとえ仮眠程度の短時間であっても避けなければなりません。必ずコンタクトレンズを外してから、寝るようにしましょう。
睡眠中はまばたきをしなくなるため、コンタクトレンズを付けたまま寝ると、角膜が酸素を取り込めずに酸欠状態になってしまいます。※参考1涙の分泌も減るため、目に傷がつきやすくなるのです。
コンタクトレンズの種類を変える
今使っているコンタクトレンズの種類を変えてみることも、対策の一つです。
度数の調整を始め、コンタクトレンズ変更の際は以下のようなポイントがあります。
- 度数の調整
- 装用タイプの変更(2WEEKから1DAYへの変更など)
- 素材の変更(シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズへの変更など)
- メーカーの変更
自分の目に合うコンタクトレンズに変更することで、目の乾燥や疲れの軽減につながります。
眼科を受診し、相談してみてください。
また、コンタクトレンズに慣れていないときは、装用時間を短くしたり、眼鏡で過ごす日を作ったりといった工夫をしながら、徐々に慣らしていきましょう。
コンタクトレンズを付けたまま寝てしまったら?
ダメだと分かっていても、「コンタクトレンズを付けたままでうっかり寝てしまった」ということがあるかもしれません。
その場合、「すぐにコンタクトレンズを外さなければ」と焦る人もいるでしょう。しかし、起きてすぐにコンタクトレンズを外さないようにしましょう。
乾燥状態にあるコンタクトレンズを無理に取り出すことは、かえって目に傷を作ってしまう原因になります。まずは、まばたきや目薬などで、しっかりと目にうるおいを与えてから外すようにしましょう。
コンタクトレンズを付けたまま寝てしまった場合の対処法は、下記の記事でも解説しています。

1DAYコンタクトレンズはすぐに取り替える
1DAYのコンタクトレンズを使っている場合は、付けていたコンタクトレンズを処分し、新しいコンタクトレンズに取り替えます。
1DAYのコンタクトレンズは、一度外すと同じものを再び付けることはできません。目のトラブルにもつながりますので、再利用せずに新しいコンタクトレンズを付けましょう。
2WEEK・1MONTH・ハードコンタクトレンズは外して保存液へ
2WEEK・1MONTH・ハードコンタクトレンズを使っている場合は、コンタクトレンズを外して普段と同じ手順でケアし、専用の保存液に入れます。
ただし、外出先などで保存液がないからといって、コンタクトレンズを水道水で保存することは絶対にしないでください。
特に目に傷がついている場合、水道水に含まれるアカントアメーバがコンタクトレンズに付着すると、「アカントアメーバ角膜炎」などの病気を引き起こす原因になってしまいます。※参考2※参考3
いつ何があってもすぐ外せるように、保存液を入れたコンタクトレンズケースを持ち歩く習慣があると安心です。
うまく外せない場合は眼科を受診する
コンタクトレンズをうまく外せない場合は、速やかに眼科を受診します。
眼科でコンタクトレンズを外してもらい、外した後の目の状態もしっかり診てもらいましょう。
自分で無理に外すことは、目に傷をつけてしまうなどトラブルを起こす可能性があるので注意しなければいけません。
コンタクトレンズの眠気対策を知っておこう
コンタクトレンズを付けたときに感じるのが本当の眠気なのか、眠気のように感じる他の原因なのかで、対策も変わってきます。
コンタクトレンズを装用した時に眠気を感じる原因を理解し、症状に合った対策を実践することで改善できます。正しい知識をつけ、快適なコンタクトレンズ生活を送りましょう。
参考資料
- 参考1:Q:コンタクトレンズを着けたまま寝るとなぜいけないのですか? |財団法人 日本学校保健会
- https://www.hokenkai.or.jp/gyouji/pdf/contact.pdf
- 参考2:コンタクトレンズを水で保存する|日本コンタクトレンズ協会
- https://www.jcla.gr.jp/safely/index.html
- 参考3:アカントアメーバ角膜炎|日本コンタクトレンズ協会
- https://www.jcla.gr.jp/safely/disease.html