コンタクトレンズユーザーの花粉症対策とは?かゆみ・ズレ・曇りの原因
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花粉症の時期に、コンタクトレンズを使っていて悩んだ経験はありませんか?
花粉症では、「アレルギー性鼻炎」のほかに、「アレルギー性結膜炎」といって目に症状が出るケースも多いです。
特にコンタクトレンズユーザーは、涙による洗浄作用が低下しており、トラブルのリスクが高いので気をつけなければいけません。
この記事では、花粉症におけるトラブルの原因や対策を詳しく解説していきます。
花粉症で起こる目のトラブルは?原因と対処法
花粉症で起こる目のトラブルは、以下の3つが挙げられます。
- 目のかゆみ・ゴロゴロ・痛み
- コンタクトレンズがズレる・浮く・外れる
- コンタクトレンズが曇る・濁る
それぞれ詳しく解説します。
目のかゆみ・ゴロゴロ・痛み
花粉症で目に花粉が入ると、目の病気を引き起こすこともあるのです。
そのうちの1つに、「アレルギー性結膜炎」があります。
目の表面に付着した汚れ(花粉)に対して、アレルギー反応が起こる病気です。
症状としては、目のかゆみ・ゴロゴロ・痛みなどをともない、充血します。
コンタクトレンズの装用中に気付かなくても、「コンタクトレンズを外すとかゆい」など、症状発現のタイミングは人によってさまざまです。
コンタクトレンズケアを正しく行い、市販薬を使ってみると良いでしょう。
市販薬は防腐剤の入っていない人工涙液が推奨されています。※参考1
それでも改善されない場合は、早めに眼科医療機関(以下「眼科」)を受診してください。
コンタクトレンズがズレる・浮く・外れる
花粉症がひどくなると、コンタクトレンズがいつも通りに入らないこともあるでしょう。
アレルギー症状が増悪する病気の1つに、「巨大乳頭結膜炎」があります。
巨大乳頭結膜炎は、上まぶたの裏側の粘膜がでこぼこになり、コンタクトレンズがズレたり、浮いたり、外れたりといった症状が現れます。
この場合、コンタクトレンズの装用を中止し、治療を受けなければならないこともあります。早めに眼科を受診しましょう。
コンタクトレンズが曇る・濁る
花粉症のアレルギー症状が強くなると、目やにが多く出て、コンタクトレンズが汚れやすくなります。
コンタクトレンズを、洗浄液で念入りにこすり洗いしたり、タンパク除去をしたりしても、曇りや濁りが生じる場合は、新しいコンタクトレンズに変えたほうが良いでしょう。
そのまま使い続けると、アレルギー症状が悪化するため良くありません。
花粉症対策はいつから始めるべき?
花粉症対策の開始時期は、症状発現の2~3週間前です。病院の点眼薬で予防しましょう。※参考2
花粉症でみられるアレルギー性結膜炎の予防や治療は目薬が中心です。
一般的に、「抗アレルギー点眼薬」と「ステロイド点眼薬」が用いられます。
抗アレルギー点眼薬の効果は多少時間を要しますが、副作用もほとんど無く、安全に長期使用が可能です。花粉症で起こるトラブルの予防や症状軽減が期待できます。
かゆみなどの症状が強い場合には、ステロイド点眼薬の効果が確実です。
しかし、副作用の可能性があり、長期使用は好ましくありません。
そのため、花粉症対策は症状発現前から始めることをおすすめします。
花粉症対策の点眼薬は、眼科に相談のうえ、使用方法を守って使いましょう。
花粉情報は、環境省のホームページで確認できます。参考にしたい方はこちらをご参照ください。※参考3
コンタクトレンズユーザーの花粉症対策3つ
コンタクトレンズユーザーの花粉症対策としては、以下の3つが挙げられます。
- 目薬を点す
- メガネやゴーグルをする
- 1DAYコンタクトレンズを使う
それぞれ詳しく解説します。
目薬を点す
通常は、目の中に花粉が入っても、涙によってある程度は流されます。
ところが、コンタクトレンズユーザーの場合、コンタクトレンズ装用中は目の表面が乾燥しやすく、その機能が不十分です。目薬で涙不足を補うことにより、洗浄効果を得られるでしょう。
ただし、コンタクトレンズをしたまま使える目薬と、使えない目薬があるので注意が必要です。使用前に必ず確認しましょう。
目薬の違いについて詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。

メガネやゴーグルをする
花粉から目を守る方法として、メガネやゴーグルをするのも良いでしょう。
フレームにフードがついていて、目からメガネレンズまでの空間を無くし、花粉の侵入を防ぐタイプがおすすめです。※参考2
普段メガネを使わない方も、伊達メガネをするだけで花粉の侵入を軽減できます。
また、衣類は花粉のつきにくい、綿かポリエステルのような外側がすべすべした素材のものにしてください。毛織物は花粉がつきやすいので避けましょう。
1DAYコンタクトレンズを使う
最も衛生面に優れた1DAYコンタクトレンズを使うと安心です。
コンタクトレンズの中でも、ケアをして使用期間まで使い続けるタイプは、コンタクトレンズに花粉がついていると目に悪い影響をおよぼします。
1DAYコンタクトレンズは、毎回新しいレンズを使うので、花粉の蓄積がありません。
しかし、毎日コンタクトレンズを使う方にとっては高コストが懸念されます。花粉症の時期だけ一時的に使うという方法でも良いでしょう。
花粉症対策ができるコンタクトレンズの選び方
コンタクトレンズは、製品によって特性が違い、花粉症対策ができるコンタクトレンズもあります。
花粉症の時期は、花粉症対策ができるコンタクトレンズを使用すると、より快適に過ごせるでしょう。
花粉症対策ができるコンタクトレンズは、以下の2タイプです。
- 花粉がつきにくい非イオン性
- 乾燥に強いシリコーンハイドロゲル素材
それぞれ詳しく解説します。
花粉がつきにくい非イオン性
花粉のようなタンパク質がアレルゲンとなる花粉症対策には、非イオン性のコンタクトレンズがおすすめです。
コンタクトレンズには、イオン性と非イオン性があります。
それぞれの特性は、下の表をご覧ください。
イオン性 | 非イオン性 | |
---|---|---|
タンパク質 | つきやすい | つきにくい |
脂質 | つきにくい | つきやすい |
涙の中には、タンパク質汚れや脂質汚れが含まれています。
イオン性のコンタクトレンズは、マイナスイオンを帯びていて、プラスイオンを帯びたタンパク質汚れを引き寄せやすくなっています。
非イオン性のコンタクトレンズは、プラスイオンを帯びたタンパク質汚れをほとんど引き寄せません。
つまり、非イオン性のコンタクトレンズには花粉がつきにくいのです。
また、どちらの特性も活かした汚れに強い「両性イオン素材のコンタクトレンズ」も発売されているので紹介します。
- シード1dayPureうるおいプラス(SEED)
- メーカー独自の「両性イオン素材」を使用しています。従来のイオン性コンタクトレンズに比べて水分を引き寄せてとどめる力が強く、耐汚染性にも優れています! シード1dayPureうるおいプラスを購入する
そして、このシリーズには、乱視用や遠近両用もあるので、多くの方にご使用頂けます。
- シード1dayPureうるおいプラス乱視用(SEED)
- 直径が小さく、初めて乱視用コンタクトレンズを使う方でも装着しやすい製品です! シード1dayPureうるおいプラス乱視用を購入する
- シード1dayPureマルチステージ(SEED)
- 初めて遠近両用コンタクトレンズを使う方でも、見え方に慣れやすい製品です! シード1dayPureマルチステージを購入する
乾燥に強いシリコーンハイドロゲル素材
花粉症対策には、シリコーンハイドロゲル素材もおすすめです。
シリコーンハイドロゲル素材は、酸素をよく通すので、目の代謝が良くなります。
目の代謝が良くなることで、涙の分泌や循環もスムーズになるでしょう。
つまり、シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズは、涙による洗浄作用を維持できるのです。
ただし、酸素透過率が良くても、ほかの要因から目の乾燥をともなうことがあります。
自分の目に合うコンタクトレンズの中から、酸素透過率が良いものを選んでください。
シリコーンハイドロゲル素材が合わない方は、乾燥を防げる保湿成分入りの製品を選ぶと良いでしょう。
花粉症の時期に合ったコンタクトレンズを選ぼう
花粉症の時期は、目のトラブルが起こりやすくなります。
症状によっては、コンタクトレンズを使えなくなることもあるでしょう。
しかし、トラブルの原因を知り、対策しておけば、花粉症の時期でも快適にコンタクトレンズを使うことができます。
花粉症の時期には、1DAYコンタクトレンズがおすすめです。
当店(アットコンタクト)でも、花粉症対策ができる製品の取り扱いがあります。
製品について知りたい、または購入希望の方は、こちらの記事をご利用ください。

参考資料
- 参考1:公益社団法人 日本眼科医会:アレルギー性結膜炎の治療と対策
- https://www.gankaikai.or.jp/health/33/09.html
- 参考2:横山 利幸:目の花粉の治療
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjmj/46/1/46_30/_pdf
- 参考3:環境省ホームページ:花粉情報サイト
- https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/