コンタクトレンズの保存液とは?おすすめ商品や代用の可否も紹介
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コンタクトレンズの保存液を買い忘れたり、旅行で飛行機に乗ったりするときに困った経験をしたことはありませんか?
「コンタクトレンズの保存液は、水や目薬で代用して良いの?」「旅行のときは、どうやって持っていくの?」という質問がよくありますが、保存液は買い忘れたとしても代用できません。
なぜ代用できないのか、代用した場合どのようなリスクがあるのかを、この記事で詳しく解説していきます。
また、保存液を飛行機に持ち込むときの注意点や、保存液の詰め替えの可否、おすすめ商品も紹介しています。ぜひ、最後までご覧ください。
おすすめのコンタクトレンズの保存液
当店(アットコンタクト)で取り扱っている、以下の7つの保存液を紹介します。
- エピカ
- アキュビューリバイタレンズ
- オプティフリープラス
- エーオーセプトクリアケア
- コンセプトワンステップ
- 抗菌O2ケアミルファ
- シンプルワン
ソフトコンタクトレンズ用のMPS・過酸化水素はもちろん、ハードコンタクトレンズ用の洗浄保存液も取り扱っています。
保存液を購入する際に、ぜひ参考にしてみてください。
- エピカ(Menicon)
- ソフトコンタクトレンズ用のMPSで、洗浄・すすぎ・消毒・保存が1本でできます。
- 洗浄・すすぎのあと、エピカに浸し4時間以上放置すると消毒は完了です。
- 塩酸ポリヘキサニドが微生物に対して効果的で、コンタクトレンズをしっかり消毒してくれます。
- タンパク付着を防止・除去する効果もあり、コンタクトレンズをタンパク汚れから守ってくれるでしょう。 エピカを購入する
- アキュビューリバイタレンズ(Johnson & Johnson)
- ソフトコンタクトレンズ用のMPSで、洗浄・すすぎ・消毒・保存が1本でできます。
- 洗浄・すすぎのあと、アキュビューリバイタレンズに浸し4時間以上放置すると消毒は完了です。
- 2種類の消毒成分を配合しており、眼病の病原菌を99.9%以上消毒してくれます。
- タンパクや脂質汚れ除去はもちろん、うるおい成分によって長時間快適な付け心地も期待できるでしょう。 アキュビューリバイタレンズを購入する
- オプティフリープラス(Alcon)
- ソフトコンタクトレンズ用のMPSで、洗浄・すすぎ・消毒・保存が1本でできます。
- 洗浄・すすぎのあと、オプティフリープラスに浸し4時間以上放置すると消毒は完了です。
- クエン酸がタンパク汚れを除去。界面活性剤が脂質汚れも除去してくれます。
- コンタクトレンズ表面の水濡れ性を高めるうるおい成分を配合しており、快適な装用感が期待できるでしょう。 オプティフリープラスを購入する
- エーオーセプトクリアケア(Alcon)
- ソフトコンタクトレンズ用の過酸化水素で、洗浄・消毒ができます。
- はじける泡の洗浄力で、細菌やアカントアメーバをしっかり消毒。
タンパクや脂質汚れだけでなく、花粉もしっかり落としてくれます。 - コンタクトレンズを保存できる期間は、消毒・中和後「24時間以内」です。
24時間以上経過した場合は、再び消毒・中和を行ってからコンタクトレンズを装用しましょう。 - 【長期間保存する方法】
①少なくとも週に1度は、エーオーセプトクリアケアを入れ替えて、消毒・中和する
②コンタクトレンズを装用する前日は、必ずエーオーセプトクリアケアを入れ替えて、消毒・中和を行う - 【注意点】
・消毒・中和に6時間かかります
・コンタクトレンズのこすり洗い・すすぎ目的で使用しないでください
・一部のカラーコンタクトレンズには使用できません
エーオーセプトクリアケアを購入する
- コンセプトワンステップ(Johnson & Johnson)
- ソフトコンタクトレンズ用の過酸化水素で、洗浄・消毒ができます。
- 過酸化水素が、目に見えない細菌や雑菌をしっかり消毒してくれます。
- 瞳にやさしい、防腐剤と界面活性剤フリーの商品です。
- コンタクトレンズを保存できる期間は、消毒・中和後「7日以内」です。
7日以上経過した場合は、再び消毒・中和を行ってからコンタクトレンズを装用しましょう。 - 【注意点】
・消毒・中和に6時間かかります
・コンタクトレンズのこすり洗い・すすぎ目的で使用しないでください
・虹彩部分に着色のあるカラーコンタクトレンズには使用できません
コンセプトワンステップを購入する
- 抗菌O2ケアミルファ(Menicon)
- ハードコンタクトレンズ用の洗浄保存液です。
- 抗菌成分が配合されており、保存液の菌の増殖を防ぎます。
- タンパク分解酵素と、脂質汚れに有効な2種類の界面活性剤によって、高い洗浄効果が期待できるでしょう。
- 【長期間保存する方法】
①コンタクトレンズを抗菌O2ケアミルファで洗浄し、水道水ですすぐ
②レンズケースに新しい抗菌O2ケアミルファを入れてコンタクトレンズを収納する。このとき、冷蔵庫などの冷暗所で凍結を避けて保存する
③1ヶ月に1度は、新しい抗菌O2ケアミルファに入れ替える
抗菌O2ケアミルファを購入する
- シンプルワン(HOYA)
- ハードコンタクトレンズ用の洗浄保存液です。
- 優れた洗浄抗菌力で、洗浄・保存・タンパク除去が1本でできます。
- 保湿成分がレンズにうるおいを与え、くもりや汚れ付着も防止。クリアな視界が期待できるでしょう。 シンプルワンを購入する
コンタクトレンズの保存液とは
コンタクトレンズの保存液は、細菌から目を守り、コンタクトレンズを快適に使用するために欠かせないケア用品です。
さらに、コンタクトレンズ表面の乾燥を防ぐ効果もあります。
コンタクトレンズの乾燥が続いた場合、水濡れ性が悪くなり、汚れやくもりの原因に繋がるのです。※参考1
保存液はソフトコンタクトレンズ・ハードコンタクトレンズ共に、保存だけに特化した商品よりも、1つの液で洗浄・消毒・保存できる商品が主流になっています。
ソフトコンタクトレンズを保存できるケア用品に、「MPS(マルチパーパスソリューション)」と「過酸化水素」があります。
MPSは、1つの液で洗浄・すすぎ・消毒・保存が行えるケア用品です。
誤用による目のトラブルが少ないので、初めてケア用品を使用する方でも扱いやすいでしょう。
過酸化水素は、過酸化水素の力でコンタクトレンズを消毒するケア用品です。
ソフトコンタクトレンズを保存できる期間は、「24時間」「7日以内」など商品によって異なります。
また、過酸化水素は強い消毒効果がありますが、目にとっては劇薬です。
そのため、消毒後はコンタクトレンズの中に取り込まれた過酸化水素を中和する必要があります。※参考2
中和方法は、次の章で紹介します。
MPSと過酸化水素のどちらが自分に合っているかは、眼科医療機関やコンタクトレンズ販売店で相談すると良いでしょう。
コンタクトレンズの保存液に含まれる成分
保存液に含まれる成分は、「消毒成分」と「うるおい成分」が一般的です。
この2つの成分は、目薬や化粧品にも使用されている低毒性の成分です。
また、多くの保存液には「防腐剤」も含まれています。
保存液に含まれる防腐剤は、目薬に含まれる防腐剤と同じ「塩酸ポリヘキサニド」や「塩化ポリドロニウム」です。
目とコンタクトレンズにやさしい防腐剤で、安心して使用できます。
コンタクトレンズの洗浄液との違い
洗浄液との違いは成分です。
洗浄液の種類によって異なりますが、「タンパク汚れ除去成分」「脂質汚れ除去成分」「界面活性剤」などが含まれています。
また、ハードコンタクトレンズの洗浄液には、細かい粒子(研磨剤)が含まれている商品もあります。
洗浄専用の商品は、汚れを落とすことに特化しているため、コンタクトレンズの保存には使用できません。
コンタクトレンズの保存液の正しい使い方
保存液は、以下の手順で正しく使用しましょう。
- ①レンズケースに保存液を満たし、コンタクトレンズを浸す
- ②レンズケースのフタをしっかり閉め、指定された時間以上コンタクトレンズを保存する
保存液は、コンタクトレンズ全体を覆えるぐらいの量を、レンズケースに満たしてください。※参考3
保存液を満たす量は、レンズケースの8~9分目が良いでしょう。
保存液を満杯に満たすと漏れる恐れがあり、少ないとコンタクトレンズを完全に浸せません。
そのほかに、過酸化水素の商品は中和(※)を忘れずに行ってください。
(※)中和とは?中和方法も紹介!※参考2
中和とは、目にとって劇薬の過酸化水素を、目に刺激のない水に分解することです。
過酸化水素の中和方法はいくつかあり、商品によって手順も違うので、使用前に必ず取扱説明書を確認してください。
当記事では、以下3つの中和方法を紹介します。
- 【液剤を用いる方法】
- ①洗浄・すすぎをしたコンタクトレンズを、過酸化水素溶液に浸す
②指定された時間以上浸して消毒したあと、消毒液を捨てる
③コンタクトレンズを指定された時間以上、中和液に浸す - 【錠剤を用いる方法】
- ①洗浄・すすぎをしたコンタクトレンズを、錠剤を入れた過酸化水素溶液に浸す
②指定された時間以上浸して消毒・中和する
③商品によっては、コンタクトレンズを装着するときに、すすぎ液でよくすすぐ - 【白金ディスクを用いる方法】
- ①洗浄・すすぎをしたコンタクトレンズを、消毒液の入った白金ディスク付きケースにセットする
②指定された時間以上浸して消毒・中和する
③商品によっては、コンタクトレンズを装着するときに、すすぎ液でよくすすぐ
レンズケースのケアも重要
保存液を正しく使用しても、レンズケースが不衛生な状態だと、眼疾患を引き起こすことがあります。
そのため、レンズケースのケアも欠かせません。
レンズケースは使用の都度、流水でしっかり洗い、自然乾燥させましょう。
また、以下の3項目もレンズケースのケアで重要なポイントです。※参考3
- ソフトコンタクトレンズケースは、1.5ヶ月~3ヶ月に1度は必ず新しいものに交換する
- レンズケースを扱うときも、忘れずに手を洗う
- レンズケースの保存液が漏れる場合は、すぐ新しいものに交換する
レンズケースのケアの詳しい方法は、こちらの記事で紹介しています。

保存液の使用期限
保存液の使用期限は、商品の外箱やボトルに記載されています。
ただし、外箱やボトルに記載されているのは、開封前の使用期限です。
開封後は、できるだけ早く使い切りましょう。
「開封後は1ヶ月を目安に使ってください」と表示されている商品もあります。
保存液を使用するときは、「開封前の使用期限」と「開封後の使用期限」の2つを確認してください。
保存液の捨て方・処分方法
使用期限が切れた保存液は、液体とボトルに分けて処分します。
液体は、直接排水溝に流したり、古紙・古布に吸わせたりして処分することが多いようです。
ボトルは、リサイクル可能なプラスチック容器包装が主流です。
液体とボトルの具体的な分別ルール・処分方法は、自治体によって異なります。
処分する前に、お住まいの市町村にお問い合わせください。
保存液の代用・詰め替え・機内持ち込みはできる?
保存液は代用できません。また、詰め替えもできません。
飛行機内への持ち込みは、国内線と国際線の両方で可能です。
しかし、持ち込むときの注意点があります。
ここからは、保存液の代用と詰め替えができない理由と、飛行機に持ち込むときの注意点を詳しく解説していきます。
保存液の代用はできない
保存液は、ほかの液体で代用できません。
代用品としてよく誤用されているのが、以下の8種類です。
- コンタクトレンズの洗浄すすぎ専用液
- コンタクトレンズの装着薬
- 目薬
- 洗眼液
- 水道水
- 食塩水
- 生理食塩水
- 精製水
代用品で保存すると、コンタクトレンズの変形・変色や、眼疾患にも繋がります。
保存液の代用によって起こる眼疾患で最も症状が重くなるのは、アカントアメーバ感染症(角膜炎)です。主な感染経路は、水道水です。
水道水でコンタクトレンズを保存すると、レンズケース内でアカントアメーバが増殖します。
ほかにも、水道水で洗浄・あまりレンズケアをしない・指定期間を超えての使用など、ルーズな装用をしている方にアカントアメーバ感染が多くみられます。※参考4
ハードコンタクトレンズは、洗浄保存液で洗った後、水道水ですすぐことは可能です。
しかし、水道水で保存はできないので、注意しましょう。
自分の目を守るために、保存液は代用しないでください。
保存液の詰め替えはできない
保存液は、ほかの容器に詰め替えはできません。
保存液の品質を保持し、十分な効果を発揮させるためです。
また、雑菌による汚染を防ぐためにも、使用中の保存液のボトルに別の保存液を注ぎ足さないでください。
一度出した保存液も、ボトルには戻せません。
保存液のボトルは、詰め替え用の注ぎ口が無かったり、ボトルが分解できなかったりと、詰め替えできない構造になっています。
飛行機内への持ち込みはできる
保存液は、国内線と国際線共に飛行機内へ持ち込めますが、それぞれに量的制限があります。
国内線は、保存液の客室内への持ち込み・荷物預け入れが可能です。
ただし、1容器あたりの容量は、500mlまたは500g。
1人あたり合計で、2リットルまたは2kgまでの量的制限があります。※参考5
そのため、国内線を利用するときは、制限を超える量の保存液を持ち込まないよう注意しましょう。
国際線は、保存液に関わらず液体物の飛行機内持ち込みに量的制限があります。
しかし、保存液は「医薬品類」となり例外扱いの対象になるので、医薬品として検査員に申し出をすれば、飛行機内に持ち込めます。
国際線の客室内への持ち込みは、客室内で必要となる量に限って持ち込み可能です。
100ml以下の容器に入った保存液は、1リットル以下のジッパー付き透明プラスチック袋に入れると、検査員に申し出ることなく、ほかの液体物と同じように客室内へ持ち込めます。※参考6
そのため、国際線を利用するときは、100ml以下の携帯用サイズやトラベルパックの保存液がおすすめです。
- 【国際線の注意点】
- 海外で乗り継ぐ場合は、再検査のときに海外のルールに従い没収される可能性があります。
事前に搭乗する航空会社へ確認しておきましょう。※参考6
コンタクトレンズの保存液は正しく使おう
目の健康のため、コンタクトレンズの品質保持のためにも、保存液は正しく使用してください。
保存液の代用や再利用は、眼疾患やコンタクトレンズの変形・変色に繋がります。
また、過酸化水素は使用方法を間違えると目に強い痛みや充血が現れますので、取り扱いには十分注意しましょう。
保存液はいろいろな種類があり、容量・使用方法・保存可能期間など商品によって異なります。
自宅用や旅行用など、用途やライフスタイルに合わせて保存液を使い分けることもおすすめです。
参考資料
- 参考1:日本コンタクトレンズ学会:2.ケアの基礎知識 (2)レンズケアの目的と役割
- http://www.clgakkai.jp/general/study02-2.html
- 参考2:日本コンタクトレンズ学会:4.ソフトコンタクトレンズのケア (3)過酸化水素消毒
- http://www.clgakkai.jp/general/study04-3.html
- 参考3:日本コンタクトレンズ学会:4.ソフトコンタクトレンズのケア (6)保存の注意とレンズケースの手入れ
- http://www.clgakkai.jp/general/study04-6.html
- 参考4:公益社団法人 日本眼科医会:コンタクトレンズと感染症 8.アカントアメーバ感染
- https://www.gankaikai.or.jp/health/34/index.html
- 参考5:国土交通省:機内持込・お預け手荷物における危険物の代表例
- https://www.mlit.go.jp/common/001425421.pdf
- 参考6:国土交通省:量的制限の対象となる液体物のリスト
- https://www.mlit.go.jp/common/001105372.pdf