コンタクトレンズ用と一般的な目薬の違いは?さし方や使うタイミングを紹介
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「目薬を買ったのに、コンタクトレンズのまま使えないタイプだった」と困った経験はありませんか?
ドラッグストアなどで販売されている目薬は、レンズを付けたまま使える「コンタクトレンズ用目薬」と、レンズを付けたまま使えない「一般的な目薬」があります。
そのため、コンタクトレンズ用目薬を購入するときは、パッケージに「コンタクトレンズ装着中に使えます」などの表示があるものを選んでくださいね!
この記事では、コンタクトレンズ用目薬と一般的な目薬の違い、目薬の使い方や注意事項を紹介していきます。
コンタクトレンズ用と一般的な目薬の違い
コンタクトレンズ用と一般的な目薬の違いは、目薬に含まれる成分です。
レンズを付けたまま使えるように、コンタクトレンズ用目薬はレンズに影響のない成分でできています。
成分のひとつに、防腐剤(保存剤)があります。
コンタクトレンズ用目薬の防腐剤は、目とレンズにもやさしい「塩酸ポリヘキサニド」を使っている製品が多いです。
塩酸ポリヘキサニドは、コンタクトレンズの装着薬や洗浄液にもよく使われています。
一方、一般的な目薬の防腐剤は、「ベンザルコニウム塩化物」「パラベン類」などです。※参考1
これらの防腐剤は、身体に危険性のない濃度に調整されているため、用法・用量を守った場合の安全性は保障されていますが、レンズの変色や変形など影響が出る可能性もあります。
このように、コンタクトレンズ用と一般的な目薬は成分が違うので、レンズ装着中はコンタクトレンズ用目薬を使いましょう。
コンタクトレンズ用目薬の正しい使い方
コンタクトレンズ用目薬を使うときは、手洗いをし、決められた用法・用量を守ってください。
目薬の容器先端やキャップに雑菌が付くのを防ぐためにも、目薬を使う前に手を洗いましょう。
また、コンタクトレンズ用目薬は、製品によって1日にさせる回数が違います。
パッケージや添付文書に記載されている内容を、よく確認することが大切です。
ここからは、コンタクトレンズ用目薬のさし方と、目薬を使うタイミングを詳しく紹介します!
コンタクトレンズ用目薬のさし方
コンタクトレンズ用目薬のさし方は、一般的な目薬と同じです。
目薬をさすときに注意してほしい点は、目尻・目頭・まつ毛に、容器の先端を付けないようにすることです。
目に容器の先端が触れてしまった場合、雑菌が付いたり、目やに・涙などが容器に吸い込まれて、汚染の原因になったりもします。※参考2
目薬の正しいさし方※参考2
1日の点眼回数および、1回あたりの滴数は、各製品の用法・用量に従ってください。
目薬が長く目に留まり、効果がしっかり発揮されます。
皮膚に目薬が付いたまま放置すると、かぶれる場合もあります。
コンタクトレンズ用目薬を使うタイミング
目薬を使うタイミングは、症状が出てから、または予防として使うこともできます。
予防として使う場合は、「3時間おきに点眼する」など決めておくと、さし忘れ防止になるでしょう。
また、冷暖房が効いている室内は乾燥しているため、目薬を使う頻度が多くなりがちです。
くれぐれも、決められた回数を超えて使わないようにしましょう。
コンタクトレンズ用目薬を使用する注意点
コンタクトレンズ用目薬を使うときは、「レンズの装着中」「レンズの種類」「目薬の保存と期限」それぞれに注意すべき点があります。
まず、「コンタクトレンズ用目薬であれば、どれを使っても大丈夫」というのは間違った認識です。
コンタクトレンズ用目薬を購入するときに、必ず確認する項目があるので、この章で紹介していきます!
ほかにも、「目薬がなかなか減らないので、ずっと使っている」という方もいますが、目薬を開栓してからの使用期限は決まっているので注意が必要です。
これらの注意点を詳しく解説していくので、目薬を購入する前にぜひ読んでくださいね!
コンタクトレンズ装着中
レンズを装着したまま、一般的な目薬はさせません。
理由は、レンズが一般的な目薬に含まれる防腐剤などの成分を吸収するからです。
レンズに吸収された防腐剤によって、角膜障害を引き起こす確率が高くなったり、レンズが変形・変色したりする可能性もあります。
特に、ソフトレンズは成分を吸収しやすい材質です。
一般的な目薬をさしたあとにレンズを装着する場合は、5分から10分を目安に十分に時間をあけてください。※参考1
コンタクトレンズの種類
コンタクトレンズ用目薬であっても、レンズの種類によって使えない製品があります。
パッケージに「すべてのコンタクトレンズ装着中に使えます」と表記されていれば、すべての使い捨てレンズ・ソフトレンズ・ハードレンズ(O2を含む)に使えます。
「カラーコンタクトレンズを除く、すべてのコンタクトレンズ装着中に使えます」と表記されている目薬は、カラーレンズ装着中は使えません。
また、「ハードレンズのみ対応」と表記されている目薬もあります。
このように、いろいろなタイプの目薬があるので、購入前にパッケージを確認しましょう。
目薬の保存と使用期限
直射日光の当たらない涼しいところで保存します。
自動車の中や暖房器具の近くなど高温となる場所に、目薬を放置してはいけません。
目薬が入っている袋は遮光袋になっているので、目薬を使ったあとは袋に入れてください。
使用期限は、製品によって異なります。
パッケージや添付文書で確認しましょう。
開栓してからの期限は、「一般用点眼剤」は3ヶ月以内、「医療用点眼剤」は1ヶ月以内を目安にしてください。(※1)※参考1
防腐剤の入っていない目薬は、開栓後の期限が7~10日間と短い場合もあります。
(※1)一般用点眼剤と医療用点眼剤の違いは?※参考3
「一般用点眼剤」は、一般の人が薬局などで購入し、自らの判断で使う目薬のことです。
よって、ドラッグストアなどで購入したコンタクトレンズ用目薬は、一般用点眼剤に該当します。
「医療用点眼剤」は、医療用として取り扱われる医薬品のことで、病院で処方される目薬のことです。
コンタクトレンズ用目薬の種類・使い分け
症状別にいろいろな種類のコンタクトレンズ用目薬が販売されています。
レンズ装着中に以下の症状が出たときは、コンタクトレンズ用目薬を使ってみてください。
- 不快感
- 目の乾き
- 目の疲れ
- 目のかすみ
当記事では、4タイプの目薬の特徴を紹介します!
- 【人工涙液】
- 涙に近い性質で、サラサラとした使用感が特徴です。
涙不足にともなう、目の乾き、異物感などの不快な症状を改善します。 - 【目にうるおいを与える】
- うるおい保持成分が含まれています。
うるおいの持続が期待できるので、レンズを長時間装着する方や、すぐに目が乾いてしまう方におすすめです。
とろりとした使用感の製品もあります。 - 【疲れ目に効く】
- 目の新陳代謝を促進する、ビタミンが配合されています。
目の疲れがある方はもちろん、目のかすみが気になる方にもおすすめです。
清涼感のある、爽快なさし心地の製品もあります。 - 【目薬と装着薬が一体化】
- 目薬として使うことはもちろん、コンタクトレンズの装着薬(※2)としても使える便利な製品です。
うるおい効果の高い製品が多く、目が乾きやすい方におすすめです。
(※2)装着薬(装着液)とは?
レンズを装着する前に、数滴なじませることで、目の乾きなどの不調を予防する効果があります。
当店(アットコンタクト)では、コンタクトレンズの装着薬を取り扱っています。
- クレオモイスト(コンタクトレンズ装着薬)
- ※目薬として使えない製品です。
- すべてのレンズ(使い捨てレンズ・ソフトレンズ・ハードレンズ)に使えます。
使い方は、レンズ装着前に1~3滴を両面になじませ、そのまま装着するだけです。 - うるおい効果と、疲れ目を軽減する成分が配合されています。 クレオモイストを購入する
- メニコンフィット(コンタクトレンズ装着薬)
- ※目薬として使えない製品です。
- すべてのレンズ(使い捨てレンズ・ソフトレンズ・ハードレンズ)に使えます。
使い方は、レンズ装着前に1~3滴を両面になじませ、そのまま装着するだけです。 - うるおいをキープし、化粧品汚れの付着を軽減します。 メニコンフィットを購入する
コンタクトレンズ用目薬を正しく使おう
レンズ装着中にドライアイや目の疲れが気になったら、症状に合ったコンタクトレンズ用目薬を使ってみましょう!
ただし、目薬を使っても症状が改善されないときは、目薬の添付文書を持って眼科医療機関を受診するか、購入店舗の薬剤師か登録販売者に相談してください。
また、ドライアイでお悩みの方は、うるおい効果の高いレンズに変えると、症状が改善される可能性もあります。
ドライアイにおすすめのレンズを、こちらの記事で詳しく紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください!

参考資料
- 参考1:社団法人 日本眼科医会 監修
社団法人 東京医薬品工業協会 点眼剤研究会、大阪医薬品協会 点眼剤研究会 作成
:点眼剤の適正使用ハンドブックーQ&Aー(初版) - http://www.dy-net.jp/eyedrop/tenganzai_handbook.pdf
- 参考2:社団法人 日本眼科医会 監修
社団法人 東京医薬品工業協会 点眼剤研究会、大阪医薬品協会 点眼剤研究会 作成
:目薬の使い方(初版) - http://www.kpia.jp/okusuri/okusuri018.pdf
- 参考3:公益社団法人 東京医薬品工業協会 点眼剤研究会
:点眼剤の承認許可に関する留意事項 ~薬機法、日局及び関連通知等~ - http://www.pmat.or.jp/syoseki/documents/20170315_005.pdf