コンタクトレンズは片目だけ装用できる?トラブルや注意点も解説
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「片目はよく見えるのに、片目はぼやける」「メガネを作りたいけど、左右の度数に差がありすぎて作れない」といった経験はありませんか?
視力は、左右で差が生じることもあります。しかし、左右の視力の差が大きすぎると、度数の差も広がるため、メガネでは視力を矯正することが難しくなってしまいます。
そういった場合は、コンタクトレンズを片目だけ装用するのがおすすめです。
コンタクトレンズを片目にだけ装用して左右のバランスを改善する方法や、トラブル・注意点について解説します。
コンタクトレンズは片目だけ装用できる?
コンタクトレンズは、片目だけでも装用できます。
「両目に装用しなければいけないのでは?」「片目だけでは購入できないのでは?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。
見えにくかったり、左右の視力に差があり不自由を感じる場合には、片目だけコンタクトレンズを装用することで視力の悩みの改善が期待できます。
コンタクトレンズは片目だけでも装用できる
コンタクトレンズは、片目だけでも装用可能です。
そのため、視力に左右差がある方だけではなく、「不同視」で悩んでいる方にも効果的です。
「不同視」とは、近視や遠視・乱視で、左右の度数の差が2D(ジオプター)以上ある状態のことです。
片目ずつで交互にものを見たとき、左右の見え方が大きく違う場合は、不同視かもしれません。※参考1眼科を受診し、医師の診断を受けましょう。
不同視はメガネの装用が効果的だと言われていますが、不同視の程度が大きいと、メガネでは満足のいく視力に矯正できない可能性があります。
しかし、コンタクトレンズであれば片目だけの装用ができます。メガネではカバーしきれない左右の差も、矯正しやすくなるでしょう。
ただし、子供の不同視の矯正では、コンタクトレンズの処方を行っていない眼科もあります。この場合も、まず眼科へ問い合わせてみてください。
乱視があっても大丈夫
たとえ乱視のある方でも、コンタクトレンズを片目だけ装用できます。
コンタクトレンズには、さまざまな種類があります。乱視の矯正を諦めることなく、不同視を矯正したいという方には、乱視用コンタクトレンズ(トーリックコンタクトレンズ)をおすすめします。
不同視で乱視もあるという場合は、片目にだけ乱視用コンタクトレンズを装用してもよいでしょう。
コンタクトレンズを片目にだけ装用するケース
コンタクトレンズを片目だけ装用するケースとしては、「左右の視力のバランスを整えたいとき」「目の疲れを改善したいとき」の大きく2つが挙げられます。
それぞれについて、理由とともに説明しましょう。
左右の視力のバランスを整えたいとき
コンタクトレンズを片目だけ装用することで、左右の視力の差を調整し、見え方のバランスを整えられます。
たとえ左右の視力に差があっても、両目で見ていると不自由を感じにくいことがあります。
しかし、実際は見えるほうの目で見えにくいほうの目を補いながら物を見ている状態です。そのため、実は目に負担がかかっているのです。
見えにくいほうの目にコンタクトレンズを装用すると、左右の見え方が同じようになり、両目の負担を減らせます。
目の疲れを改善したいとき
コンタクトレンズを片目だけ装用することで、目の疲れの改善にもつながります。
左右の差がある状態で生活していると、知らず知らずのうちに目に疲れが蓄積していきます。
目の疲れがひどくなってくると、目の奥に痛みが出たり、頭痛を引き起こしたりすることもあるのです。
見えにくいほうの目だけコンタクトレンズを装用することで、見えるほうの目だけにかかっていた負担を取り除くことができます。結果的に、目の疲れや頭痛などのつらい症状の緩和が期待できるのです。
コンタクトレンズを片目だけ装用中に起きるトラブル
コンタクトレンズを片目だけ装用していると、以下のようなトラブルが起きることもあります。
- 片目だけ視界がぼやける
- コンタクトレンズがズレる
- 片目だけかゆくなる
原因と対処法について、順に解説します。
ただし、これらのトラブルはどれも、「片目だけに装用しているから起こる」というわけではありません。両目に装用しているときも、同じトラブルが起きる可能性があります。
両目に装用するときと同じく、正しい使い方をして万が一の時の対処法を知っておくことが、片目だけの装用で重要なのです。
片目だけ視界がぼやける
コンタクトレンズを片目だけ装用して視力を矯正しているにもかかわらず、片目だけぼやけるときがあります。その場合は、コンタクトレンズに何らかのトラブルが起きていると考えられます。
考えられる原因と改善策は、以下の通りです。もし自分で改善策を試しても良くならない場合は、眼科を受診しましょう。
症状 | 改善策 |
---|---|
度数が合っていない | 正しい度数に合わせる |
コンタクトレンズの素材が合わない | コンタクトレンズの種類を変える |
キズ・汚れがついている | ・コンタクトレンズをこすり洗いする ・新しいコンタクトレンズに交換する |
ドライアイ | 目薬などで潤いを与える |
コンタクトレンズの裏表が間違っている | コンタクトレンズを正しい向きで装用する |
コンタクトレンズがズレる
コンタクトレンズが徐々にズレてしまうこともあります。
特に片目だけコンタクトレンズを装用している場合は、コンタクトレンズがズレると見え方が悪くなります。できる限り早めに対処するようにしましょう。
コンタクトレンズがズレる場合の原因と改善策は、以下の通りです。
原因 | 改善策 |
---|---|
BC(ベースカーブ)が合っていない | コンタクトレンズの規格や種類を変える |
ドライアイ | ・目薬で潤いを与える ・コンタクトレンズの種類を変える |
アレルギー性結膜炎や巨大乳頭結膜炎などの眼疾患がある | 眼科を受診し、治療をする |
片目だけかゆくなる
片目だけかゆくなる原因は、主にアレルギー性結膜炎が考えられます。
以下のようなものがコンタクトレンズに付着すると、コンタクトレンズの汚れとなります。その汚れが目に付き、アレルギー症状を引き起こすことがあるのです。
- 花粉
- ホコリなどのゴミ
- マスカラやアイシャドウなどのアイメイク用品※参考2
また、コンタクトレンズの素材が合わない場合も、かゆみを感じることがあります。
アレルギー性結膜炎になると、目のかゆみや目やに、充血などの症状が現れます。眼科を受診し、抗アレルギー点眼薬での治療が必要です。
日頃からレンズケアをしっかり行い、レンズごとに決められた装用期間を正しく守りながら使用するようにしましょう。
片目だけのコンタクトレンズ装用で注意すること
片目だけにコンタクトレンズを装用する上で注意したいのは、以下の2点です。
- 事前に必ず眼科を受診する
- コンタクトレンズが外れなくても焦らない
それぞれ解説していきます。
事前に必ず眼科を受診する
片目だけコンタクトレンズを使用したいと思ったときは、両目に装用するときと同じく、まずは眼科を受診しましょう。
視力検査や診察を行い、コンタクトレンズの必要性を判断してもらいます。
コンタクトレンズは高度管理医療機器です。個人の判断で誤った使用をすると、目に重大な影響を及ぼします。
「片目だけだから、自己判断でも良いだろう」ということはありません。手間を惜しまず眼科を受診してから使いましょう。
眼科の受診方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

コンタクトレンズが外れなくても焦らない
コンタクトレンズを外そうとしても、目やまぶたに張り付いてうまく外れない場合があるかもしれません。
目に張り付いた場合は、まず目を潤しましょう。目を閉じて涙をいきわたらせたり、目薬を点したりします。
まぶたの裏に張り付いた場合は、ゆっくりとまばたきをしましょう。
コンタクトレンズを無理に外そうとすると、コンタクトレンズが欠けて目に傷をつける恐れがあります。
もしどうしてもコンタクトレンズが外れない場合、目の充血やゴロゴロ感などの症状がある場合は、速やかに眼科を受診しましょう。

片目だけのコンタクトレンズ装用で快適に過ごそう
コンタクトレンズを片目だけに装用することで、視力の差を整えたり、目の疲れを緩和したりと、さまざまなメリットが期待できます。
乱視がある場合も、乱視用コンタクトレンズを選ぶことで、快適に装用可能です。
一方で、両目にコンタクトレンズを装用するときと同じく、視界がぼやける、コンタクトレンズがズレる、目がかゆくなるといったトラブルや、アレルギー性結膜炎のリスクもあります。
また、片目だけに装用を始めるときも、必ず眼科を受診しましょう。うまく外せないときも焦らず、慎重に対応する必要があります。
自己判断で無理に着脱すると、最悪の場合コンタクトレンズが装用できなくなってしまったりすることがあります。
両目での装用と同じ手順で装用・ケアをし、良好な視野で毎日を過ごしましょう。
参考資料
- 参考1:弱視とは|日本弱視斜視学会
- https://www.jasa-web.jp/general/medical-list/amblyopia
- 参考2:コンタクトレンズの汚れとキズ|日本コンタクトレンズ学会
- http://www.clgakkai.jp/general/study01-2.html