1DAYコンタクトレンズを2日使うのはNG!理由と危険性を解説
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「1DAYコンタクトレンズを1日で捨てるのはもったいない!」「コンタクトレンズはまだきれいだし、洗浄液で洗えば2日ぐらい大丈夫かな」と思っている人はいませんか?
しかし、1DAYコンタクトレンズは、絶対に2日以上使わないでください。
なぜ1DAYコンタクトレンズが2日以上使えないのか、もしも2日以上使った場合はどのようなことが起こるのか、理由と危険性を詳しく解説していきます。
- 目次
- 使い捨てコンタクトレンズの寿命
- 1DAYコンタクトレンズを2日使ってはいけない
- 1DAYコンタクトレンズを2日使うのがNGな理由
- 劣化したり、雑菌が繁殖したりするから
- 目の病気を引き起こす可能性があるから
- 1DAYコンタクトレンズを誤って使うと起きる疾患
- 角膜上皮障害
- 細菌性角膜炎
- 角膜新生血管
- アカントアメーバ角膜炎
- 角膜内皮障害
- 巨大乳頭結膜炎
- 1DAYコンタクトレンズの正しい使い方
- 毎日必ず取り替える
- 装用時間は眼科医の指示に従う
- 一度外したら再度同じものを付けない
- 2日使ってしまった場合の対処法
- すぐに外して破棄する
- 目に違和感があるときは眼科を受診する
- 1DAYコンタクトレンズを正しく使おう
使い捨てコンタクトレンズの寿命
使い捨てコンタクトレンズの寿命は、レンズの種類によって違います。
さらに、レンズが開封後か未開封かでも変わるので、知っておくと良いでしょう。
開封後のコンタクトレンズの寿命は、開封から使用期間までです。
1day・2week・1ヶ月を種類別にそれぞれ解説していきます。
- 【1day】
- 1日使い捨ての1dayタイプは、起きてから寝るまでの間のみ使えるレンズです。
1枚のレンズで付け外し不可のため、再装用して使うことができません。使用後は処分してください。 - 【2week】
- 2週間使い捨ての2weekタイプは開封した日から、14日間のみ使えるレンズです。
1枚のレンズを1日の間で付け外し可能ですが、使用後は毎回ケアが必要となります。 - 【1ヶ月】
- 1ヶ月使い捨ての1monthタイプは開封した日から、1ヶ月間のみ使えるレンズです。
1枚のレンズを1日の間で付け外し可能ですが、使用後は毎回ケアが必要となります。
レンズの使用期間が長いため、タンパク除去も必要です。
1DAYコンタクトレンズを2日使ってはいけない
1DAYコンタクトレンズを2日使うことはできません。たとえコンタクトレンズがまだきれいに見えても、毎日必ず取り替える必要があります。
正しい知識のもとに1DAYコンタクトレンズを使用し、目の健康を守りましょう。
1DAYコンタクトレンズを2日使うのがNGな理由
1DAYコンタクトレンズを2日使うのがNGな理由は、主に以下の2つです。
- 劣化したり、雑菌が繁殖したりするから
- 目の病気を引き起こす可能性があるから
コンタクトレンズが劣化したり、雑菌が繁殖すると、目に少なからず影響を及ぼしてしまいます。最悪、目の病気にもつながるため、注意が必要です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
劣化したり、雑菌が繁殖したりするから
1DAYコンタクトレンズは、使い捨て設計で作られています。そのため、洗浄液でケアしても劣化したり、汚れの蓄積や雑菌が繁殖しやすくなったりします。
コンタクトレンズの劣化や汚れ、雑菌の繁殖は、目にトラブルを引き起こす原因です。
コンタクトレンズの汚れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

目の病気を引き起こす可能性があるから
コンタクトレンズは、医療機器では最もレベルの高い「高度管理医療機器」に指定されています。
高度管理医療機器とは、使用中に不具合が生じた場合に、人体や生命に重大な影響を与える恐れがある医療機器のことをいいます。※参考1
誤った方法でコンタクトレンズを使用した場合には、重大な目の病気を引き起こす可能性が高くなるため、取り扱いには注意が必要です。
1DAYコンタクトレンズを誤って使うと起きる疾患
1DAYコンタクトレンズを誤って使うと起きる可能性がある主な疾患は、以下の通りです。
- 角膜上皮障害
- 細菌性角膜炎
- 角膜新生血管
- アカントアメーバ角膜炎
- 角膜内皮障害
- 巨大乳頭結膜炎
コンタクトレンズを正しく使わなければ、眼障害は誰にでも起こる可能性があるため注意が必要です。
もし、こうした病気にかかってしまうとどんな症状が出るのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。
角膜上皮障害
角膜上皮障害は、コンタクトレンズの汚れなどによって、角膜の一番表面にある角膜上皮が障害を受けた状態です。
症状としては、目の違和感、痛み、流涙、充血、目やに、まぶしさなどがあります。
重症化した場合、角膜に濁りが残って視力が回復しないことや、最悪の場合は角膜に穴が開いて失明することもあるので注意が必要です。
細菌性角膜炎
細菌性角膜炎は、コンタクトレンズに繁殖した細菌によって、角膜に炎症が起こる疾患です。
細菌性角膜炎は重症化することもあります。違和感、痛み、流涙、充血、目やに、まぶしさなどに加えて視力低下や失明にまで至ることもあります。
角膜新生血管
角膜新生血管とは、結膜(いわゆる白目の部分)から角膜に血管が入り込み、酸素不足を補おうとする状態のことをいいます。
コンタクトレンズの長時間装用により角膜が酸素不足になると、酸素を供給するために結膜から角膜中心に向かって血管が伸びてきます。
無症状であることも珍しくありませんが、本来はない血管が角膜に入り込むことは異常であり、ただちに眼科医の診察が必要です。
酸素不足がこれ以上続かないようコンタクトレンズの装用をなるべく少なくして、角膜に酸素を送る必要があります。
アカントアメーバ角膜炎
コンタクトレンズによる障害で重篤なものの1つに、アカントアメーバ角膜炎があります。
アカントアメーバ感染の初期段階は症状がありません。異物感、痛み、充血、視力低下などの症状が出たときにはすでに進行している状態です。
感染が角膜実質層に及んだ場合には、角膜からアカントアメーバを削り取る治療が必要になります。
治療には激痛を伴うことが多いです。また、角膜を削り取ったあともメガネでは矯正できない乱視が生じて見えにくさが残る場合もあり、大変重篤な疾患とされています。
角膜内皮障害
コンタクトレンズの長時間装用により酸素が不足した状態が続くと、角膜内皮が減少します。
角膜内皮は角膜の一番内側にあり、一度減少すると再生されません。
また、角膜内皮障害は進行すると角膜にむくみを生じることがあり、視力低下やかすみの原因にもなるのです。症状が進行した場合には、角膜移植による治療が必要です。※参考2

巨大乳頭結膜炎
巨大乳頭結膜炎は、まぶたの裏に巨大な乳頭状の突起物ができるアレルギー症状です。違和感、ゴロゴロ、痛み、充血、目やになど、不快な症状を引き起こします。
まぶたの裏の巨大乳頭によって角膜にキズが入り、他の疾患を併発することもあるため注意が必要です。
1DAYコンタクトレンズの正しい使い方
前述の通り、1DAYコンタクトレンズの誤った使い方は、さまざまな眼障害を引き起こす可能性があります。
1DAYコンタクトレンズによるトラブルを回避するためには、以下を守って正しく使用しましょう。
- 毎日必ず取り替える
- 装用時間は眼科医の指示に従う
- 一度外したら再度同じものを付けない
どれもコンタクトレンズの装用時間や装用回数についてのものですが、目を守る上でとても大切です。
毎日必ず取り替える
1DAYコンタクトレンズは、見た目がまだきれいでも、毎日必ず取り替えましょう。
前述の通り、そもそも1DAYコンタクトレンズは、何度も装用できるように作られていません。そのため、2日以上使った場合には思わぬトラブルを起こす可能性があります。
装用時間は眼科医の指示に従う
1DAYコンタクトレンズが装用できる時間には、個人差があります。眼科医から指示された装用時間を守りましょう。
装用時間が長時間になると角膜が酸素不足になり、目の疾患を引き起こしやすくなります。
目が慣れていない状態での長時間の装用は、頭痛や体調不良につながるため控えましょう。コンタクトレンズを使い始めて日が浅い場合は、1日2時間程度から徐々に装用時間を伸ばしていくのが一般的です。
一度外したら再度同じものを付けない
1DAYコンタクトレンズは一度外したら、再度同じものを付けてはいけません。少しもったいなさを感じるかもしれませんが、たとえ装用して時間があまり経っていなくても、一度外したら新しいコンタクトレンズを付け直しましょう。
外出時もスペアを持ち歩き、外した際には新しいコンタクトレンズに取り替えられるようにしておくと安心です。
2日使ってしまった場合の対処法
何らかの理由で1DAYコンタクトレンズを2日使ってしまった場合には、正しい方法で対処しなければいけません。
以下の方法で対処することが、大切な目をトラブルから守ることにつながります。
- すぐに外して破棄する
- 目に違和感があるときは眼科を受診する
特に目に違和感があるときには自己判断はNGです。すぐに眼科を受診しましょう。
すぐに外して破棄する
1DAYコンタクトレンズを2日使ってしまった場合は、すぐに外して破棄しましょう。普段と同じように、そっとコンタクトレンズを外します。
外したコンタクトレンズの捨て方について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

目に違和感があるときは眼科を受診する
1DAYコンタクトレンズを2日以上使って目に違和感が出たときには、コンタクトレンズの装用をいったん中止して、眼科を受診しましょう。
自己判断で症状を放置したり、コンタクトレンズを装用し続けたりすると、症状をより深刻化させることがあります。
1DAYコンタクトレンズを正しく使おう
1DAYコンタクトレンズは一度きりの使い捨て設計のため、2日使うことはできません。まだきれいに見えても必ず毎日取り替え、目のトラブルを引き起こさないようにしましょう。
また、万が一2日以上使ってしまった場合はすぐに取り外し、新しいコンタクトレンズを装用するようにしましょう。
1DAYコンタクトレンズのコスト面が気になる場合は、2WEEKタイプがおすすめです。アットコンタクトではコスパの良いコンタクトレンズも多数ご用意しています。

参考資料
- 参考1:医療機器|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
- https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/devices/0028.html
- 参考2:角膜内皮障害 | 日本眼科学会
- https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=18