コンタクトレンズが合わないのはなぜ?度数やベースカーブが原因かも
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コンタクトレンズが合わないと感じる原因はいくつか考えられます。 付け心地に違和感があるのなら、ベースカーブが合っていないかもしれません。また、ピントが合わないなら、度数が原因かもしれません。 考えられる原因について解説していきます。
コンタクトレンズが合わないと感じる主な原因
コンタクトレンズが合わないと感じる場合、主に以下のような原因が考えられます。
- ベースカーブ(BC)が合っていない
- 度数が合っていない
- サイズ(DIA)が合っていない
- コンタクトレンズの素材が合っていない
「合わない」と感じたら、まずはこちらを疑ってみてください。
ベースカーブ(BC)が合っていない
コンタクトレンズのベースカーブが合っていないのかもしれません。
ベースカーブとは、コンタクトレンズのカーブ(丸み)のことです。

目のカーブは人それぞれ異なります。そのため、ベースカーブが目の形と合っていないと、窮屈さを感じたり、コンタクトレンズがズレてごろつきを感じたりすることがあります。
ベースカーブの合わないコンタクトレンズを付けていると、違和感が生じるだけでなく、目やまぶたに傷をつけてしまう可能性もあるので注意しましょう。

度数が合っていない
見え方に違和感が生じたり、疲れを感じたりする症状が出ているのなら、度数が合っていないのかもしれません。
見えにくければ、コンタクトレンズの度数が弱い可能性があります。疲れを感じるのであれば、度数が強いことが考えられます。そのまま使い続けると、不便が生じるだけでなく、視力の低下を招く可能性もあるので注意が必要です。
また、コンタクトレンズとメガネの度数は同じとはかぎりません。コンタクトレンズとメガネでは、眼球との距離に差があるので、同じ数値のものを使用すると見え方に差が出ることがあります。
コンタクトレンズはコンタクトレンズの、メガネはメガネの度数で使用しましょう。
サイズ(DIA)が合っていない
コンタクトレンズのサイズ(DIA)が合っていないことも、違和感につながります。サイズが合わないと、目に入れにくかったり、ズレが生じてごろごろしたりします。

コンタクトレンズの素材が合っていない
コンタクトレンズの素材はいくつか種類があります。
特に、乾きやすい素材のものだと、乾燥がごろつきの原因になることがあります。含水率の高いコンタクトレンズは、付けた時の装用感はいいのですが、乾きやすく、時間が経つとごろつきが目立ちます。
酸素透過率の高いシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズであれば、目が乾きにくく、ごろつきが軽減されることが多いです。長時間付ける人には、目の安全のためにも酸素透過率の高いコンタクトレンズをおすすめします。ただ、人によっては合わないこともあるので気を付けましょう。
また、乾燥以外でも、素材そのものが自分と合わないことがあります。使っていて違和感があれば、別のコンタクトレンズに変えましょう。
コンタクトレンズにどんな素材が使われているか知りたい時は、眼科やコンタクトレンズ販売店で確認してください。
その他のコンタクトレンズが合わない原因
コンタクトレンズ選びは問題ないはずなのに、合わないと感じる方もいます。その場合は、別の可能性が考えられます。
- コンタクトレンズを裏表・左右逆に付けている
- コンタクトレンズや目に汚れが付いている
- 目が乾燥している
- 乱視がある
- 何らかの眼障害が起きている
自分に当てはまるものがないか、確認してみてください。
コンタクトレンズを裏表・左右逆に付けている
コンタクトレンズの裏表や左右を間違えて付けていると、見え方に違和感があったり、ごろつきや痛みを感じたりすることがあります。
コンタクトレンズの裏表を見分けるためには、コンタクトレンズの形で見分ける必要があります。お椀のように、コンタクトレンズのフチに丸みがありやわらかな印象であれば正しい状態です。

一部、コンタクトレンズ自体にマークが入っているものもあります。どうしても裏表がわからなくなる場合は、マーク付きのコンタクトレンズを探してみるとよいでしょう。

左右に関しては、度数が左右同じであれば問題ありません。しかし、左右違う場合は開封する前にしっかり度数を確かめてから目に入れましょう。あらかじめ、毎日どちらの目から付けるか決めておくと、より間違えにくくなります。
また、自分のコンタクトレンズの度数を覚えておくことも大切です。もし覚えられない場合は、コンタクトレンズのパッケージに「右」や「左」とマークしておくとわかりやすくなります。

コンタクトレンズや目に汚れが付いている
コンタクトレンズや目に汚れが付いていると、それにより見え方に違和感があったりごろつきが出たりします。
そのため、コンタクトレンズを付ける前には、きちんと手を洗っておきましょう。また、目も専用の洗浄液で洗ってから付けるとより効果的です。
1DAY以外のコンタクトレンズは、そのまま目につけられるすすぎ液などですすいでからの装用をおすすめします。ただし、目に入れられない消毒液などもあるので、商品の説明はしっかり読んでから使いましょう。
目が乾燥している
目が乾燥している可能性もあります。
コンタクトレンズを付けてすぐに目の乾きを感じるのであれば、別の種類のコンタクトレンズに変えるのがよいでしょう。
朝付けて、午後や夕方にごろつきを感じるのであれば、コンタクトレンズを長時間付けていたことが目の乾きの原因と考えられます。普段からできるだけこまめにまばたきをしておくことが大切です。
また、乾燥した場合は目薬をさすのも効果的です。
乱視がある
見え方が合わなければ、度数だけの問題ではなく、乱視が入っている可能性があります。
強い乱視なのに近視用のコンタクトレンズを使用していると、ものがブレて見え、「合わない」と感じてしまうことがあります。弱めの乱視であれば、近視用のコンタクトレンズで問題ない場合もありますが、一度眼科で乱視の検査をしてもらうとよいでしょう。
自分が乱視かどうかは、簡単なセルフチェックもできます。下記の図を片目ずつ見て、線の太さが変わって見えたり、線の色に濃淡が感じられたりする場合、乱視の可能性があります。

乱視については、以下の記事で詳しく解説しています。

何らかの眼障害が起きている
以下のように、目に何らかの障害が起きていることも考えられます。※参考1※参考2
- 角膜上皮障害
- アカントアメーバ角膜炎
- 角膜内皮障害
- 巨大乳頭結膜炎
- 角膜上皮びらん
- 角膜浸潤
- アレルギー性結膜炎
- 角膜充血
これらは、コンタクトレンズの使用期限を守らなかったり、ケアを怠ったりしていると起きやすくなります。
中には、重篤な症状につながる眼障害も。違和感を感じたら、すぐに眼科を受診しましょう。
コンタクトレンズが合わないと感じたら?
コンタクトレンズが合わないと感じたら、まずは眼科を受診することが大切です。自分で判断せず、眼科医の指示に従いましょう。
また、正しいベースカーブや度数のコンタクトレンズを使用することも大切です。あわせて、正しいケア方法ができているかも見直してみましょう。
眼科を受診する
まずは、眼科を受診してみましょう。
何らかの眼障害が起きていても、眼科医でないと分からない可能性があります。違和感、特に痛みやかゆみが生じたら、すぐに眼科を受診しましょう。
特に異常がなくても、期間を決めて定期検査するのがおすすめです。自分では異常に気付いていなくても、目にトラブルが起こっている可能性があります。
正しいベースカーブ・度数のコンタクトレンズを使う
正しいベースカーブ、正しい度数のコンタクトレンズを使用しましょう。自分に合ったベースカーブや度数については、眼科で検査してもらうと分かります。
ただ、眼科によっては、取り扱っていないコンタクトレンズもありますので、希望の商品がある場合は診察前に話しておくとよいでしょう。

コンタクトレンズのケア方法を見直す
お手入れがきちんとできているかも、確認しましょう。
1DAY以外のコンタクトレンズは、きちんとしたケアが必要です。
ケア用品にはさまざまな種類があり、現在は主に、薬剤につけておくだけのものと、こすり洗いするタイプのものがあります。
特にこすり洗いタイプのものは、こすり洗いが不十分だと、汚れが付着したままになることがあります。こすり洗いを手間に感じてしまう人や、うまく洗えない人はつけおきタイプを選んだ方がよいでしょう。
また、当たり前のことではありますが、1DAYのコンタクトレンズを何日も使うのは、絶対にやめましょう。同じものを洗浄して使い続けたいのであれば、2WEEKのコンタクトレンズをおすすめします。ただし、2WEEKのコンタクトレンズにも2週間という使用期限があります。使用期限を守って、正しく使用しましょう。
違和感をなくして快適なコンタクトレンズ生活を送ろう
コンタクトレンズが合わない時には、さまざまな理由が考えられます。
特にコンタクトレンズを外した際に、強く解放感を感じるのであれば、コンタクトレンズが合っていなかったり、長時間使用で目が乾燥したりしている可能性があります。
コンタクトレンズが合わないと感じたら、放置せずきちんと対処してください。自分に合ったコンタクトレンズを正しい使い方で使用するようにしましょう。
参考資料
- 参考1:コンタクトレンズによる目の病気|一般社団法人日本コンタクトレンズ協会
- https://www.jcla.gr.jp/safely/disease.html
- 参考2:コンタクトレンズ眼障害アンケート調査の集計結果報告|公益社団法人日本眼科医会
- https://www.gankaikai.or.jp/contact-lens/report.html#M6