コンタクトレンズの洗い方を種類別に解説!ケースの洗浄方法は?
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コンタクトレンズの洗い方には、さまざまな方法があるのを知っていますか?
ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズで洗い方は異なりますが、ソフトコンタクトレンズの中でも使用する種類によってケア方法が変わります。
また、コンタクトレンズのケアは、眼障害のリスクを抑える重要な役割です。
この記事では、コンタクトレンズの洗い方における注意点やケースの洗浄方法について詳しく説明していきます。ぜひご覧ください。
ソフトコンタクトレンズの洗い方
ソフトコンタクトレンズをケアするときは、以下を守りましょう。
- 水道水は使用せず専用の洗浄液で洗う
- こすり洗いで汚れや微生物を落とす
- つけおきをして消毒・保存
ソフトコンタクトレンズのケア方法の多くは、こすり洗い→すすぎ洗い→消毒・保存の手順となります。
また、水道水を使用して洗浄してしまうと十分な汚れが落とせず、眼障害のリスクを高めてしまうため、注意しましょう。目の健康を守るためにもしっかりとしたケアが必要です。
詳しく説明していきます。
水道水は使用せず専用の洗浄液で洗う
ソフトコンタクトレンズは、水道水の使用をせずに、必ず専用の洗浄液で洗いましょう。水道水で洗浄してしまうと、水中に生息するアカントアメーバや他の微生物が付着し、眼感染症のリスクを高めてしまいます。※参考1
ソフトコンタクトレンズは、種類によってコンタクトレンズの使用期間が異なります。2WEEKタイプは2週間でコンタクトレンズの交換を行い、1MONTHタイプは1ヶ月で交換、1DAYタイプは、1日使い捨てのため洗浄は不要です。
一定期間同じコンタクトレンズを使い続けるタイプは、コンタクトレンズを外した後毎日レンズケアが必要です。
ソフトコンタクトレンズの洗浄液には、洗浄液1本で洗浄・すすぎ・消毒・保存の4ステップを行うことができるMPS(マルチパーパスソリューション)と、つけおき洗浄の過酸化水素タイプが主流です。
ソフトコンタクトレンズのケアに慣れていない方は、誤用の少ないMPSから始めると良いでしょう。
こすり洗いで汚れや微生物を落とす
ハードおよびソフトコンタクトレンズの洗浄液は、全てこすり洗いが必要です。
こすり洗いは、目の分泌物であるタンパク質や脂質を落とし、また微生物も1000分の1程度に減らすことができます。こすり洗いは、つけおき洗浄よりも強力な洗浄方法です。※参考2
正しいこすり洗い方法は、コンタクトレンズを外した後、MPSでコンタクトレンズをすすぎ洗いします。その後、手のひらにMPSを数滴たらし、コンタクトレンズの両面を各々20秒ほどこすり洗いをしましょう。

「こすり洗い不要」と表記したつけおき洗浄の過酸化水素タイプも出ていますが、実際にはこすり洗いを併用しないと洗浄効果は著しく落ちるので注意が必要です。どの洗浄方法を行う場合にも、必ずこすり洗いを併用しましょう。※参考3
つけおきをして消毒・保存
こすり洗いをした後は、コンタクトレンズを洗浄液につけて消毒・保存を行います。
MPSの場合は、こすり洗いしたコンタクトレンズをすすいだ後、レンズケースにMPSを満たし、一定時間以上つけおきをして消毒・保存をします。コンタクトレンズを装着する時にはMPSでもう一度、すすぎ洗いをしてから付けましょう。
過酸化水素タイプの場合は、こすり洗いしたコンタクトレンズをすすいだ後、専用のケースにコンタクトレンズを入れて、洗浄液を満たします。(中には、洗浄液を入れた後、中和剤を入れる製品もあります。)一定時間つけおきをして消毒・中和・保存をします。コンタクトレンズを目に付けるときは必ずMPSですすぎ洗いをしてから付けましょう。
※過酸化水素タイプは、使用する製品のつけおきをする時間(中和時間)を必ず守りましょう。中和できていないコンタクトレンズを誤って付けてしまうと激しい目の痛みが生じ、角膜に障害を引き起こす可能性があります。最悪の場合、失明する危険性もあるため、注意が必要です。
ハードコンタクトレンズの洗い方
ハードコンタクトレンズの洗い方は、ソフトコンタクトレンズと同じく、こすり洗いタイプとつけおき洗浄タイプがあります。ただし、ソフトコンタクトレンズと洗い方は異なるため注意しましょう。
また、ハードコンタクトレンズは、同じコンタクトレンズを2〜3年程使用するため、定期的に強力なタンパク除去が必要です。
詳しく説明していきます。
洗浄液でこすり洗いやつけおき洗浄を行う
ハードコンタクトレンズの洗浄液は大きく分けて、こすり洗いタイプとつけおき洗浄タイプがあります。ただし、洗浄力が高いのはこすり洗いのため、つけおき洗浄タイプもこすり洗いを併用するのが望ましいでしょう。
ハードコンタクトレンズの洗浄方法は、コンタクトレンズを外した後、流水(またはすすぎ液)でこすり洗い→すすぎ洗い→消毒・保存の手順となります。
こすり洗い方法は、コンタクトレンズの内側と外側で異なります。詳しく説明していきます。
ーハードコンタクトレンズの外側のこすり洗い方法ー
①清潔な手でコンタクトレンズを目から外す。外したコンタクトレンズを、水道水あるいは専用すすぎ液ですすぐ。
②利き手と反対の手の平に、コンタクトレンズの内側を上にして乗せる。
③コンタクトレンズの上に、洗浄液を4~5滴落とす。

④利き手の人差し指の腹をコンタクトレンズの内側に当てて軽く押さえる。
⑤コンタクトレンズを前後左右に動かして、泡立てるように約30回こする。(このとき中指を人差し指に添えてあげるとコンタクトレンズが固定し洗いやすくなります。)
※洗浄剤に水道水を数滴混ぜて、ゆっくりとやさしく泡を立てるようにして洗います。※参考4

ーハードコンタクトレンズの内側(目に触れる面)のこすり洗い方法ー
①利き手の親指、人差し指、中指の3本でコンタクトレンズをはさむ。
②レンズの内側を親指の腹で泡立てるようにやさしく約30回ほどこする。(爪がレンズの内面に当たらないように注意しましょう)
※汚れが強い人は、手のひらの上にコンタクトレンズを乗せたまま、反対側の指先でレンズの内側を丁寧にこすります。※参考4

定期的に強力タンパク除去を行う
ハードコンタクトレンズは、定期的に強力タンパク除去を1週間または1ヶ月に1度行う必要があります。※参考5
ハードコンタクトレンズは、同じコンタクトレンズを2~3年程使用します。目の分泌物の主成分であるタンパク質の汚れは、酸化したり、固着したりする性質があります。そのため、毎日ケアをしていても徐々に汚れが蓄積してしまうのです。
そのまま使い続けてしまうと、目がゴロゴロしたり、角膜に傷が付いたりしてしまいます。これを防ぐために、定期的に強力タンパク除去が必要なのです。
コンタクトレンズのタンパク除去について詳しく説明した記事はこちらです。是非ご覧ください。

コンタクトレンズケースのお手入れ方法
コンタクトレンズのケアが十分だとしても、コンタクトレンズケースのケアが不適切だと感染症の原因になってしまいます。
保存液は毎日新しく交換し、その都度、レンズケースを洗浄・乾燥させましょう。また、レンズケースを定期的に新品へ交換することも重要です。
ここからは、コンタクトレンズケースのお手入れ方法について、詳しく説明していきます。
流水で洗い乾燥させる
コンタクトレンズケースは、流水で洗い乾燥させましょう。ケースのケアを怠ると雑菌が繁殖し、カビが生えてしまいます。
コンタクトレンズを取り出した後、保存液は必ず捨てて流水(ソフトコンタクトレンズの場合はMPSも可)でしっかりと洗います。蓋と本体のかみ合わせ部分に汚れがたまりやすいので注意しましょう。
その後、水気を切って風通しがよく、清潔なところで自然乾燥させます。タオルなどで水滴を拭き取ってしまうと、タオルについている雑菌が付着してしまうため、自然乾燥が最適です。
自然乾燥は、時間がかかるためコンタクトレンズ装用後に併せて行うと良いでしょう。
定期的に新品へ交換する
コンタクトレンズケースは、定期的に新品へ交換が必要です。ソフトコンタクトレンズの場合は1.5ヶ月~3ヶ月に1度、ハードコンタクトレンズの場合は6ヶ月~1年に1度を目安に交換しましょう。
しっかりケアしていても長期間使用することで、コンタクトレンズケースに汚れが蓄積されます。また、何日も同じ保存液を入れておくと、菌が繁殖してしまいます。
眼障害を未然に防ぐには、コンタクトレンズケースをしっかり洗い、定期的にケースを交換することが大切です。
コンタクトレンズケースの正しい使用方法について詳しく説明した記事はこちらです。ぜひご覧ください。

コンタクトレンズを洗う時の注意点
コンタクトレンズのケアをする際には、以下に注意しましょう。
- 爪を整えた清潔な手で行う
- 装用前にも洗うのを忘れずに
- 洗面台に流さないよう対策を
より汚れが落ちやすくなるように、必ず清潔な手でコンタクトレンズのケアをすることが大切です。また、コンタクトレンズを付ける際にも、すすぎ洗いが必要です。
詳しく説明していきます。
爪を整えた清潔な手で行う
コンタクトレンズが傷つかないよう、爪を短く滑らかに整えて、清潔な手でレンズケアを行いましょう。
清潔な手でレンズケアをしないと、手についた病原菌がコンタクトレンズやレンズケースを汚染し眼障害のリスクを高めてしまいます。
また、爪が伸びているとコンタクトレンズに傷をつけてしまう可能性もあるので注意しましょう。
装用前にも洗うのを忘れずに
コンタクトレンズは、外した後だけでなくケースから取り出して装用する時にも、すすぎや洗浄を行います。
ソフトコンタクトレンズをすすぎ洗いする際は、必ずMPSを使用しましょう。水道水ですすいでしまうと、雑菌がソフトコンタクトレンズに付着し、角膜を傷付けたり、深刻な眼障害を起こす危険が高くなるので厳禁です。
洗面台に流さないよう対策を
洗面台でコンタクトレンズをケアする際は、誤って洗面台に流さないように注意しましょう。
特に、水道水を用いて洗浄を行うハードコンタクトレンズは、洗面台に落としやすいです。長期間使用が出来て高価なため、コンタクトレンズが流失しないように、排水口に栓をするか、流失防止シートを使用しましょう。
コンタクトレンズを落としてしまった場合の対処法について詳しく説明している記事はこちらです。気になる方は是非ご覧ください。

コンタクトレンズを正しく洗って安全に使おう
コンタクトレンズの洗浄方法はこすり洗いが一番重要です。ケア方法を誤ってしまうと、眼障害のリスクを高めてしまうため、正しい洗い方を知って丁寧にケアを行いましょう。
当店(アットコンタクト)は、コンタクトレンズだけでなくケア用品も豊富に取り扱っています。
コンタクトレンズのケア用品をお買い求めの方は、ぜひ当店をご利用ください。
参考資料
- 参考1:一般社団法人 日本コンタクトレンズ協会:こんな使い方をしたらダメ
- https://www.jcla.gr.jp/safely/index.html
- 参考2:日本コンタクトレンズ学会 :ケアの基礎知識
- http://www.clgakkai.jp/general/study02-3.html
- 参考3:日本コンタクトレンズ学会 :ソフトコンタクトレンズのケア
- http://www.clgakkai.jp/general/study04-4.html
- 参考4:日本コンタクトレンズ学会 :ハードコンタクトレンズのケア
- http://www.clgakkai.jp/general/study03-1.html
- 参考5:日本コンタクトレンズ学会 :ハードコンタクトレンズのケア(2)強力タンパク除去
- http://www.clgakkai.jp/general/study03-2.html