運転に使える遠近両用コンタクトレンズとは?仕組みも紹介!
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遠くと近くのどちらにもピントを合わせられる遠近両用コンタクトレンズは、車の運転時にも役立ちます。
目の状態に合う遠近両用コンタクトレンズに変えることで、よりスムーズな運転ができるかもしれません。
この記事では、運転時に使用できる遠近両用コンタクトレンズを7製品ご紹介します。
仕組みや運転時の見え方、注意点も解説しています。
遠近両用コンタクトレンズの仕組み
遠近両用でないコンタクトレンズは単焦点コンタクトレンズと呼ばれ、1つの度数のみが入っています。
老眼が始まると、単焦点コンタクトレンズを装用したとき、遠くを見るのに比べ、近くはピントが合いにくくなります。
近くのものにもピントを合わせられるように作られているのが、遠近両用コンタクトレンズです。下記でその仕組みを説明します。
1枚に複数の度数が入っている
遠近両用コンタクトレンズの中には、遠くを見るための遠用度数と、近くを見るための近用度数が入っています。
度数の入る位置などの設計は、コンタクトレンズによりさまざまです。
ソフトコンタクトレンズに多いのが、同心円状に少しずつ度数が変化していく「マルチフォーカル」と呼ばれる図1のようなタイプです。
遠くを見るときには遠用度数の部分を、近くを見るときには近用度数の部分を使うよう、脳が自然に選択します。
そのため、見たいものの距離に無意識にピントを合わせられる仕組みです。
ハードコンタクトレンズには、図2のように遠用・近用の2つの度数がきっちり分かれて入っている「バイフォーカル」タイプもあります。
コンタクトレンズごとに2~3種類程度用意されている加入度数は、遠くを見る度数と近くを見る度数の差を表します。
老眼とコンタクトレンズについて、詳しくは下記の記事も参考にしてください。

遠近両用ハードコンタクトレンズについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

単焦点コンタクトレンズより遠くが見えにくいケースも
遠近両用コンタクトレンズの中でも、マルチフォーカルタイプの見え方には、下記のような特徴があります。
- 遠くと近く、そして中間距離にもピントが合い、ある程度よく見える
- くっきり鮮明といえる見え方ではない
見える距離は広がりますが、1つの度数のみが入った単焦点コンタクトレンズより、遠くがクリアに見えなくなったと感じる可能性があります。
また、ほとんどの遠近両用ソフトコンタクトレンズは、乱視を矯正できません。
乱視用コンタクトレンズを使用していた方が遠近両用コンタクトレンズに変えると、乱視の程度にもよりますが、視力が出にくくなります。
下記の記事でより詳しく解説しています。

運転時の遠近両用コンタクトレンズの見え方
遠近両用コンタクトレンズを使い、快適に車を運転している方は多くいます。
遠近両用コンタクトレンズに変えることで、遠くの標識や信号、近くのメーターやカーナビも見えやすくなり、より運転しやすくなる可能性があります。
ただし、使用環境による見え方の変化には注意が必要です。安全運転のために知っておきたい点をお伝えします。
近くのメーターやカーナビも見えやすい
ドライバーが安全に運転するためには、遠くがよく見える必要があります。
標識、信号、車間距離、歩行者や障害物などを、正確に認識するためです。
老眼が始まると、遠くにピントを合わせた単焦点コンタクトレンズを装用した状態では、近くが見えにくくなってきます。
車の運転時には、近くのメーターやカーナビ、ミラーなどが見えにくいと感じる可能性があります。
この問題を解決してくれるのが、遠くの景色も、近くのものも見やすい遠近両用コンタクトレンズです。
なお、初めて遠近両用コンタクトレンズを使う方は、見え方に慣れるまで時間がかかることがあります。※参考1
日常生活での使用に慣れてから運転しましょう。
遠近両用コンタクトレンズについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

夜間は見えにくくなるため注意
夜間の暗い場所では瞳孔が開くため、コンタクトレンズの遠用度数部分と近用度数部分が同時に視界に入り、ぼやけたり光がにじんだりすることがあります。
明るい場所ではよく見えていたとしても、暗い場所では見え方が低下しやすいため、遠近両用コンタクトレンズでの夜間運転には注意が必要です。
夜間に車を運転する場合、対策として下記の方法があります。
- 遠近両用メガネを使用する
- 遠くがよく見える単焦点コンタクトレンズを装用したまま、近くを見たいときのみ近用メガネ(老眼鏡)をかける
下記の記事では、運転時のコンタクトレンズとメガネの使用について比較しています。

運転に使える遠近両用コンタクトレンズ
車の運転時に使える、1DAY・2WEEKの遠近両用コンタクトレンズを紹介します。
7つの製品について、見え方、素材、機能などの特徴をまとめています。
製品の特徴を知った上で、どのコンタクトレンズが自分の目に合うか眼科で相談してみてください。
掲載の遠近両用コンタクトレンズはすべて、アットコンタクトの通販サイトでも購入できます。
ワンデーアキュビューモイスト マルチフォーカル

「ワンデーアキュビューモイスト マルチフォーカル」は、171パターンもの設計から合うものを選択できます。
保湿成分が含まれた薄くやわらかな素材で、装用感の良さが特徴です。
UVカット機能も付いており、運転時の日差しから目を守れます。
下記の記事も参考にしてください。

ワンデーピュアマルチステージ
「ワンデーピュアマルチステージ」は、自然な見え方を実現した、国内一貫生産の遠近両用コンタクトレンズです。
UVカット機能があり、裏表を判別しやすい大きなマークも入っています。
下記の記事も参考にしてください。

プロクリアワンデーマルチフォーカル
「プロクリアワンデーマルチフォーカル」は、視界のゆれを抑えた快適な見え方と、保湿成分「MPC」が配合されているのが特徴です。
「MPC」は、コンタクトレンズに含まれる水分を引き付けて逃がさず、うるおいを保ちます。
下記の記事も参考にしてください。

デイリーズトータルワン マルチフォーカル
「デイリーズトータルワン マルチフォーカル」は、付け心地の良さにこだわり、コンタクトレンズの表面の含水率を高めた構造です。
酸素透過率が高く、装用時も目にたっぷりの酸素を届けられます。
下記の記事も参考にしてください。

2ウィークピュアマルチステージ
「2ウィークピュアマルチステージ」は、遠くを見る度数と近くを見る度数の差が比較的小さく、自然に見えやすい設計です。
汚れにくい素材で、UVカット機能も付いています。
下記の記事も参考にしてください。

バイオフィニティマルチフォーカル
「バイオフィニティマルチフォーカル」は、保水性が高く、たんぱく質汚れや脂質汚れが付着しにくい素材でできています。
さらに酸素透過率が高いため、目に負担がかかりにくいのがポイントです。
下記の記事も参考にしてください。

エアオプティクス プラス ハイドラグライド マルチフォーカル
「エアオプティクス プラス ハイドラグライド マルチフォーカル」は、183パターンの度数が用意され、幅広い目の状態に対応します。
乾燥しにくく脂質汚れが付きにくい素材が、2週間の使用期間中快適な見え方を持続させます。
下記の記事も参考にしてください。

眼科で運転することを伝えて相談しよう
遠近両用コンタクトレンズの見え方は個人差が大きく、合う製品や度数も人それぞれで異なります。
場合によっては満足な見え方が得られず、運転用として遠近両用コンタクトレンズが適さない場合もあります。
遠近両用コンタクトレンズに興味をもったら、どんな見え方なのか、一度装用し体験してみると良いでしょう。
眼科で検査を受け、車を運転することを伝えた上で、ベストな処方をしてもらってください。
参考資料
- 参考1:40代で始まる目の老化|公益社団法人 日本眼科医会
- https://www.gankaikai.or.jp/health/37/index.html