ハードコンタクトレンズの特徴とは?ソフトコンタクトレンズとの違いを紹介
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これからコンタクトレンズの購入をお考えの方、もしくは「ソフトコンタクトレンズを使っているけど、ハードコンタクトレンズも気になる」「どっちが良いの?」と興味のある方!
コンタクトレンズは、ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズに分かれ、特徴に違いがあります。
「ハード」と「ソフト」の違いを理解すれば、迷わず選ぶことができるでしょう。
この記事では、ハードコンタクトレンズの特徴や、長所・短所などを詳しく解説していきます。
ハードコンタクトレンズの特徴
ハードコンタクトレンズは、硬いプラスチック素材です。
レンズは黒目より小さく、空気中の酸素が目に届きやすいという特徴もあります。
ハードコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズよりも光学性に優れ、ピントが合いやすいです。
一度ハードコンタクトレンズを使うと、「ソフトコンタクトレンズでは見えにくい、ぼやける」と感じる方もいるでしょう。
従来のハードコンタクトレンズは、酸素を通さないPMMAレンズ(酸素非透過性タイプ)でした。
現在は、酸素を良く通すRGPレンズ(酸素透過性タイプ)が主流となっています。
ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズの違い
ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズの違いは、次の5つが挙げられます。
- 装用感
- 付け方と外し方
- 寿命
- 乱視矯正
- 手入れ
「ハード」と「ソフト」の違いを知って、コンタクトレンズ選びの参考にしてください。
それぞれ詳しく解説していきます。
装用感
コンタクトレンズの素材により装用感が違います。
ハードコンタクトレンズは硬い素材のため、慣れるまで異物感が強いです。
個人差もありますが、慣れるには2週間~1ヶ月ほどかかります。
ソフトコンタクトレンズはやわらかい素材のため、装用感が良く、数日で慣れるでしょう。
また、コンタクトレンズを装用すると、裸眼時よりも涙の循環が悪くなり、乾燥感が出やすくなります。
ハードコンタクトレンズは、水分を含まない素材で、レンズから空気中へ水分の蒸発がありません。
涙がレンズに吸収されることもなく、ソフトコンタクトレンズより乾きにくいのです。
装用時間が長くなる場合は、目の乾燥によっても装用感に違いが出るでしょう。
付け方・外し方
付け方・外し方は、コンタクトレンズの大きさにより難易度が違います。
ハードコンタクトレンズは黒目より小さいので、付けるときに目を大きく開けられない方でも付けやすいです。
図1・2のように、外すときも直接目に触れないため、ソフトコンタクトレンズより怖くありません。
図1
図2
ソフトコンタクトレンズは黒目より大きいので、付けるときに最大限目を大きく開ける必要があります。
そのため、ハードコンタクトレンズよりも難易度が高く、苦戦することが多いです。
図3のように、外すときも直接目に触れなければいけません。
図3
コンタクトレンズの付け方・外し方は、「ハード」のほうが克服しやすい傾向にあります。
しかし、コツを掴めば「ソフト」でも簡単にできるでしょう。
コンタクトレンズの「付け外しのコツ」を知りたい方は、こちらをご参照ください。

寿命
コンタクトレンズの寿命は、素材の違いにより差があります。
ハードコンタクトレンズは水分を含まない素材で汚れにくく、開封後の寿命は2~3年程度です。
ソフトコンタクトレンズは水分を含む素材で汚れやすく、開封後の寿命は1~1年半程度です。
そのため、低コストを理由にハードコンタクトレンズを選ぶ方も多いでしょう。
どちらの寿命も、使用頻度やケア方法、目の状態によって個人差があります。
コンタクトレンズの寿命について詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。

乱視矯正
ソフトコンタクトレンズよりも、ハードコンタクトレンズのほうが乱視矯正効果は高いです。
さらに、乱視の程度や種類、目の状態によってはハードコンタクトレンズが望ましいケースもあります。
乱視が強い場合や、乱視軸の細かい調整が必要な場合、円錐角膜、アレルギーなどの場合です。
これらを調べるには、眼科医療機関で検査と診察を受けなければいけません。
ソフトコンタクトレンズの製作範囲に限界があったり、病気の進行を抑える必要があったりすると、ハードコンタクトレンズをすすめられるでしょう。
また、ソフトコンタクトレンズの乱視矯正は、目の上でレンズが安定しないと見やすくなりません。
アレルギー症状が強いと、レンズが不安定でうまく乱視矯正されないのです。
眼科医療機関に相談したうえで、自分の目に合うレンズを選びましょう。
コンタクトレンズ処方箋の乱視・乱視軸を知りたい方は、こちらをご参照ください。

手入れ
「ハード」と「ソフト」の手入れで最も重要な違いは、水道水を使えるかどうかです。
ハードコンタクトレンズは水分を含まない素材なので、水道水ですすぐことができます。
ソフトコンタクトレンズは、水道水を使用すると、深刻な眼障害を引き起こす危険性が高くなるので使えません。すすぎには専用液が必要です。
そのため、レンズの手入れにかかる費用や手間に違いがあるでしょう。
「正しいコンタクトレンズのケア」を知りたい方は、こちらをご参照ください。※参考1
コンタクトレンズは「ハード」「ソフト」どっちが良い?
ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズには、それぞれ長所と短所があるので、どちらが良いとは断言できません。
次の表に長所と短所をまとめています。
長所 | 短所 | |
---|---|---|
ハードコンタクトレンズ | 装用中の酸素供給量が多い | ズレ外れしやすい |
目の異常に気付きやすい | 装用後は毎回ケアが必要 | |
ソフトコンタクトレンズ | ズレ外れしにくい | 装用中の酸素供給量が少ない |
1dayタイプはケアが不要 | 目の異常に気付きにくい |
ハードコンタクトレンズは衝撃に弱く、激しいスポーツには不向きです。
しかし、目に傷があるときは強い刺激を感じるため、早期発見できるでしょう。
目に負担が少ないので、ドライアイの高齢者や長時間装用の方へおすすめします。
一方、ソフトコンタクトレンズは、スポーツに使用しても紛失の心配が少ないです。
ハードコンタクトレンズの装用感に慣れない方にも良いでしょう。
ただし、目に傷があっても装用感が良いことで気付けず、傷の治療が遅れる危険性もあります。
どちらを選択しても、購入後は定期検査を受けて、コンタクトレンズを安全に使用しましょう。
コンタクトレンズの購入方法・手順を知りたい方は、こちらをご参照ください。

自分に合った種類のコンタクトレンズを選ぼう
コンタクトレンズは大きく分けると、「ハード」と「ソフト」の2種類です。
どちらにも長所と短所があるので、覚えておくと良いでしょう。
さらに、各メーカーから、1日、2週間、1ヶ月、3ヶ月などの使い捨てタイプや、通年タイプが数種類発売されています。
そして、コンタクトレンズの寿命や性能は、製品によってさまざまです。
自分の目的と、目の状態に合わせて使うことができます。
それぞれの特徴や違いを理解したうえで、自分に合う種類を選びましょう。
コンタクトレンズの種類について詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。

参考資料
- 参考1:日本コンタクトレンズ学会:正しいコンタクトレンズのケア
- http://www.clgakkai.jp/general/study.html